エアゾール缶式の発泡ウレタンの用途は現場発泡ウレタン断熱材での使いみち、耐水目的や防水バックアップ、発泡ウレタン保温材といった使いみちもあるが、そもそも、断熱材と保温材は何がどう違うのだろうか。
発泡ウレタン断熱材には断熱性がある。断熱性があるから断熱材なので、何ら工夫があるわけではない。自慢げに発泡ウレタンは優れた断熱材などと語る必要もない。
建材などで断熱材の種類はグラスウールやロックウールという繊維系断熱材とか、XPSやEPSなど押出ポリスチレンフォーム断熱材とかフェノールフォーム断熱材や、セルロースファイバー断熱材やインシュレーションボード断熱材など、それぞれ優れた断熱性を持つ断熱材が何種類かがある。
断熱性がメインのもの、断熱性と耐水性があるもの、接着性があってみっちりと施工できるものなど、断熱性プラスアルファの部分は結構な差があります。
エアータイトフォームという商品は、発泡ウレタン断熱材と言うよりも『断熱材の断熱仕上げ材』として活用することもできる便利と言えば便利な製品と言えます。ただし、小規模用です。
断熱材と聞くと住宅建築やマンションの壁や天井や床に施工される断熱材をイメージする人が多いと思うが、住宅建築で使われている断熱材は、熱を伝え難い断熱性能があっても、水に強いタイプと弱いタイプがあり、湿気が多いところや水周りの断熱保温保冷には適さない断熱材もあるので注意が必要。
断熱をインターネットで学んだ風の勉強家が、断熱材の種類や性能比較をコピペ解説するようなブログサイトも増えてきたが、机上としての正論は理解できるものの、断熱材を比較したり、断熱材のメリットを調べたり、断熱材のデメリットを比べたり、断熱材を性能でランキング化しても意味は弱い。
結局のところは、誰がどういった経験を持つ人が施工するのかで施工の精度は差がある。ペイント塗装でも職人の腕次第であるように、断熱の仕上げまできちんとできているのか、また、気候風土、工法そして「適材適所」に断熱材は検討しなくてはならない。
ただ、住宅建築の断熱レベルの話なら、どんな断熱材の種類でも断熱効果がありそうだが、設備や商品、工業用の断熱保温が目的となると、住宅建築の断熱レベルでは通用せず、且つ、熱伝導率などの断熱性能だけで断熱材を選ぶわけにはいかないだろう。
断熱材を探すときに注意したいことは『何をどのように断熱効果がしたい』のかである。断熱材を探すべきか、耐熱材を探すべきか、断熱材ではなく保温材を探すべきなのか、もしかしたら断熱材選びが根本的に間違っているかも知れない。
断熱材と保温材の正しい定義は別としても、住宅で使うレベルの断熱材ならば、グラスウール断熱材やロックウール断熱材でも良いでしょうし、硬質ウレタンフォーム断熱材や押出ポリスチレンフォーム断熱材でも良いでしょう。もちろん、セルロースファイバー断熱材や羊毛断熱材でも良いことでしょう。
当然、平らな面を断熱する場合、凹凸のあるところに断熱をする場合、丸いところに断熱をする場合などと形状によっても最適な断熱材を選ぶ必要がある。
隅の方に断熱材の隙間があったり、断熱材同士の継ぎ目があったりするのは良くない。扉が開いた冷蔵庫みたいなものだ。
施工の際に断熱材の厚みが気にならない箇所や断熱数値が差ほど気にならないなら100倍近くに発泡すると言われているような連続気泡の現場発泡ウレタンを分厚く施工するなどでも良いでしょう。
この世の中、会社関係の利害関係で断熱材の種類を依怙贔屓しているような会社や商社や工務店や作業者も多そうだが、それぞれに理論があって、それぞれに効果的な断熱施工の方法があるのだろう。
ハッキリ言って、住宅建築レベルの断熱材選びならば、正直、どんな断熱材を選んでも、断熱性の問題はないだろう。
繊維系でもプラ系の断熱材でも、それぞれの好みや先入観など賛否があろうと選択肢はいくつかあるわけだが、自分がこだわってハイレベルな断熱性能を求める場合や、温度差の大きい冷凍庫の断熱材、冷凍コンテナの断熱材、浴槽の断熱材選びはについては、住宅用の断熱材では性能が足りないこともある。
断熱材の断熱性能と言っても、単に、熱伝導率が良いとか悪いというような机上データは、どんぐりの背比べ。データとか性能を懸命に比較して語る断熱材を売り込む商社とかメーカーの営業マンが語るセールストークには注意。
何を断熱するのか、何を保温するのかを基準に考え、断熱材とか保温材を検討するときに知っておくべき肝心なことは、断熱性能と防水性能と接着性能の有無であろう。
逆に、断熱と耐熱を検討する場合にはデータ数値そのものが目安として大事になるだろう。
尚、発泡ウレタンの燃焼性は大したことない。発泡ウレタンの種類で燃え難いなどと言われる難燃タイプでも簡単に燃えるので絶対誤解してはいけない。
不燃だと未来に産廃問題を残すだろうし。